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酸素がもたらす効果

アルコールと酸素

● 酸素は、二日酔の妙薬

● アルコールの分解には、酸素を大量に必要とする

私たちの身のまわりには酸素欠乏となる要因が増えてきております。

例えば、飲酒と酸素には密接な関係があります。

酸素は二日酔いの妙薬ともいわれているのです。

適量の飲酒は身体に良いとされますが、お酒を飲めば飲むほど酸素が消費されますので、酩酊状態というのは一種の酸素欠乏状態と考えられます。

お酒を飲むと体内でアルコールは分解されてアセトアルデヒドなどになり、さらに分解されて炭酸ガスと水に変わります。

化学反応的にいえば、アルコール 1 分子を完全に分解するには酸素 3 分子が必要ということになります。

酸素が不足すると、アセトアルデヒドのままで体内に残ってしまい、これが頭痛や吐き気、いわゆる二日酔いの原因と考えられています。

酩酊状態と低酸素症に関する研究において、酸素の働きについて興味のある実験結果が報告されています。

● 酸素吸入で血中飽和度が上昇

実験 1.血中酸素飽和度の実験

健康な医学生 20 人に村して、30 分間にウイスキー180cc を飲ませて血中酸素飽和度(血液中にどれだけの酸素が溶け込めるかという量)を測ったところ、大部分の被検者で低下しました。

また、飲酒後に運動負荷を行うと全員血中酸素飽和度が低下しました。

ところが 20 分間酸素吸入を行うことにより、血中酸素飽和度の上昇を来たすことが確認されました。

● 酸素吸入で血中アルコール濃度が下がる

● 酸素吸入で脳波も正常化

実験 2.血中アルコール濃度の実験

比較的に飲酒の機会が多い 20 名の事務系会社員に対して飲酒実験が行われました。

この場合も飲酒により血中アルコール濃度がどんどん上がるが、酸素を吸入させると濃度が横ばいになるか、逆に低下することがわかりました。

また、脳波についての検査も行われています。

正常時には、11 サイクルから 13 サイクルまでのα2 波が一番多いが、お酒を欧むと 8.5~11 サイクルのα1 波が多くなってきます。

分布が周波数の低い方へ移動するので、これを脳波の徐波化といい、脳の働きが鈍化したことを示します。

飲酒後90分で最も徐波化が認められます。

18 分から 20 分間酸素吸入を行うことによって正常時脳波の方に 18 例中 14 例がもどりましたが、他の 4 例は、徐波化が停止して或る時間を経過して正常化に移行しました。

早い人では酸素吸入後 1~2 分で正常化が始まります。

● 酸素吸入により、注意・集中力が 正常または、向上した。 受験勉強などにも酸素は有効

実験 3.飲酒による注意、集中力の変化の実験

飲酒による注意集中力の変化を新ブルドン抹消検査という方法で調べました。

18 例中 15 例は飲酒によって作業内容の低下が認められました。

飲酒後酸素吸入によって、15 例中 3 例は正常時よりも作業内容が向上し、9例は正常時とほぼ同一の成績で、3 例は正常時と飲酒時の中間的成績が得られました。

この実験に参加した 20 名中の 2 名は、悪心等のいわゆる悪酔い状態を訴えましたが、酸素吸入開始後 5 分前後で消退しました。

このようにアルコールと酸素は密接な関係があり、低下した機能を回復させることが実証されています。

排気ガスと酸素

●自動車の排気ガスの中で呼吸していると意識が薄れやすくなる

●酸素吸入すると回復する

自動車の排気ガスのなかで呼吸していると意識が薄れやすくなることが、交通対策医学協会設立準備委員会の永富公太郎医師(東京慈恵医大精神神経科)と、同医大綿貫外科麻酔班との実験でわかりました。

これは、一酸化炭素による一時的な中毒によるもので、ひどいときには、てんかんと同じ症状を示すこともあります。

しかし、酸素吸入をすれば回復する点が、普通の一酸化炭素中毒の場合と違っており、救いの道が残されています。

高い山にのぼったり、酒を飲んだとき、意識がぼやけるのは、血液中の酸素濃度が低下するのが主因である、と考えられています。

そこで永富医師は、排気ガスを吸った場合にも同じ作用が起きるのではないかという仮説を立て、脳波を調べて、これを裏付けました。

● 酸素を吸入するとアルファ波が急速に増加し、平常に回復する

実験 4.排気ガスを吸った場合の脳波を調べる。

正常な人が普通に目覚めているときの脳波は、10 ヘルツほどの周波数の波(アルファ波)が主で、これに、それより周波数の低いデルタ波(0~4 ヘルツ)と、周波数の高いベータ 1 波(10~20 ヘルツ)ベータ 2 波(20~30 ヘルツ)が重なっています。

これに村し、熟睡しているときや、麻酔薬を使って意識がなくなったときには、アルファ波が影をひそめ、それに代わって、デルタ波(徐波ともいう)などの周波数の低い波が主となって現われます。

そこで、脳波を周波数分析器にかけて、アルファ波やデルタ波の成分比(正確にいうと、エネルギー率の比)を調べれば、正常な状態か、意識が薄らいでいるかを知る目安となります。

実験では、18 才から 22 才までの男子学生 48 人を対象に行なわれ、 それぞれ、

①普通の室内空気

②自動車の排気ガスがまじった空気

③酸素

の三種類を順番に呼吸させて、脳波の各成分の変化を調べました。

排気ガスのまじった空気は、高速道路でラッシュ時に採取したもので、一酸化炭素濃度は 30~150PPM。

この空気を 3~10 分間呼吸させると、脳波のなかのアルファ波の成分が減り、逆にデルタ波やベータ波などの成分がふえて、「意識喪失
型」の脳波に近づくことが確かめられました。

このときの波形は、酒に酔ったときの波形と大変よく似ていることがわかります。

この人たちに、酸素を 5~10 分吸入させると、アルファ波成分が急速に増して平常の状態より高くなり、一方デルタ波などの周波数の低い成分は極度に低下することがわかりました。

酒に酔った人の場合についても調べましたが、このときは、酸素吸入させると脳波が正常な型に近づきますが、アルファ波成分が平常値より高くなったり、デルタ波成分が平常値より低くなることはありません。

排気ガスを吸っているときの血液中の酸素飽和度を調べると、ひどいときには、平常状態より 30%も低下していました。

しかし、酸素吸入に切り替えると平常状態以上に上昇します。

普通、血液中のヘモグロビンがいったん一酸化炭素と結合すると、これを引き離すためには、酸素と結びついたヘモグロビンを引き離す場合の 25O 倍のエネルギーが必要と計算されています。

火事やガス漏れなどで高濃度の一酸化炭素を吸ったとき、助かりにくいのはこのためなのです。

タバコと酸素

● タバコの煙の中の一酸化炭素が血液 (ヘモグロビン)と強力に結びつく

● 酸素がヘモグロビンと結びつく前に、 一酸化炭素が先取りしてしまう

タバコの有害性の研究が進むにつれ、喫煙は運動能力を低下させることがわかってきました。

いまや、スポーツマンにとって「禁煙」は常識といっても過言ではありません。

たとえば、山男は登山前 1 週間くらいから喫煙をやめると言います。

では、なぜタバコがスポーツマンにとってよくないのでしょうか。

タバコの煙の中には、約 4000 種類とも言われているほどの有害物質が含まれています。

代表的なものとしてはニコチン、タール、一酸化炭素、シアン化水素(青酸ガス)、それに刺激性の粒子状物質、すなわち煙です。

タバコの煙の中に含まれている一酸化炭素は、自動車の排気ガス並の濃度で、環境基準をはるかに超える値です。

この一酸化炭素が、酸素を身体の中にとり込む邪魔をするのです。

一酸化炭素は、酸素の 200 倍以上もの力でヘモグロビンと結びつく性質を持っています。

つまり、肺の中に一酸化炭素のまじった空気が多いと、それだけ、酸素がヘモグロビンと結びつくのを先どりするわけです。

当然、ヘモグロビンの酸素を運ぶ能力は低下します。

さらに、酸素と結びついたヘモグロビンが、各組織に達して酸素を離すとき、ここでも一酸化炭素と結びついたヘモグロビンが、それを妨害するのです。

また、一酸化炭素は、心筋や骨格筋のミオグロビン(ヘモグロビンに似たタンパク質で、酸素を受け取り筋組織中に貯蔵する役目を果たしていると考えられている)とも結合して、おなじように、筋内の呼吸を妨げます。

愛煙家は一酸化炭素のせいで、二重三重にも酸素の供給を邪魔されているわけですが、たとえば、1 日に 20 本程度の喫煙者の場合、タバコを吸っていないときでも、血液中の一酸化炭素と結びついたヘモグロビンの割合は、3~6%にのぼります。

喫煙直後には、この数字が 10%を超える場合もあると言われています。

それにくらべ非喫煙者のそれはせいぜい 2、3%程度です。

いかに、タバコが有害か、わかります。

もちろん、害はそれにとどまりません。

煙の中のニコチンは、心拍数を増加させ、心筋の酸素要求量をふやすと同時に、血管を収縮させるのです。

血管が収縮すると、当然、血液の流れは悪くなり、酸素も思うように運べません。

タバコには、これら有害物質のほかにも、いろんな刺激性の物質が含まれています。

これらの、刺激性物質が身体の中に入ると、反射的に気管支が狭くなるので、充分に酸素を送り込めなくなります。

喫煙家は、慢性的な酸素不足に陥っていると言えるでしょう。

高血圧と酸素

● 酸素を吸入すると血圧が安定する

私達は、ふだん無意識に呼吸をしていますが、実はこの呼吸が血圧と深い関係があります。

健康な人の安静時の呼吸数は 1 分間に 12、13 回くらいで、リズムも一定しています。

ところが、高血圧症の人、中でも高血圧患者のおよそ 1/3 を占めているといわれる神経質な人は、呼吸が早く、しかもリズムは不規則で一定していないのが特長です。

血圧と呼吸について研究してみますと、酸素を吸うことにより血圧が安定してくるのがわかります。

そのメカニズムは科学的に充分解明されているとは言えません。

しかし、次のような推測は成り立ちます。

つまり酸素を吸うことにより、

①血圧を調整する中枢神経に好影響をあたえる。

②自律神経の働きで血管が拡張する。

③血液中の酸素を運ぶヘモグロビンの働きをたかめる。

このヘモグロビンが、酸素を離しやすいかどうかは、血液の PH によって左右されるのです。

血液の PH の値が下がれば、ヘモグロビンが、酸素をよく離してくれるので、酸素の供給量も高まります。

これはまた血管の拡張も促します。

 

糖尿病と酸素

● 酸素の供給により血液中の糖分や中性脂肪を消費して 血糖値が下がる

糖尿病の療法は、食事によるもの、運動によるもの、そして、薬によるものと大きく三つに分けることがでさます。

この中の運動療法は、いわゆるエアロビクス(有酸素運動)のことです。

話ができるくらいの軽い運動を一定時間つづけると、血液中の糖や中性脂肪などの値が下がってきます。

しかし、100m 競争などの息をつめて一気にやるような短時間の激しい運動は、酸素の供給がなくとも行なわれているので、アネロビクス(無酸素運動)と呼ばれています。

このような運動では、血糖値はむしろ上がってしまいます。

アネロビクスの場合は、筋肉中にあるグリコーゲンが主なエネルギー源として消費されます。

それに対し、エアロビクスでは、血液中の糖や中性脂肪などが、酸素の供給を受けてエネルギーを発する主役になるので、血糖値が下がるのです。

糖尿病は、細胞に糖を供給するときに必要なインシュリンというホルモンが、一般の人より不足(絶対的不足)しているか、または、利き方が悪い(相対的不足)病気です。

普通、糖分が消費される場合には、それに見合った量のインシュリンが必要です。

ところが酸素を取り入れる運動では、インシュリンをほとんど必要とせずに、糖分を消費します。

おそらく、血行が盛んになることでインシュリンが細胞につきやすくなることや、インシュリンの利き方がよくなったり、酸素の活性が高まるために、糖や中性脂肪の血中の値が下がるものと考えられています。

皮膚と酸素

● 体内からの自然美容に新鮮な酸素

● 酸素補給ですみずみの細胞の代謝活動を活発化

→血行がよくなり、肌に艶がでる

→不純物(特に便秘)の排泄を促進

皮膚の表面にある汗腺や皮脂腺からは、たえず水分や油分が身体の外に排出されています。

つまり、身体の中の不要になった老廃物を、すこしずつ外側の変化を気にしながら下水道に捨てているわけです。

また、皮膚全体からは、皮膚呼吸の形で炭酸ガスをたえず排出しています。

新鮮な酸素をたっぷり補給することは、身体のすみずみの細胞による代謝活動を活発にし、体内ガス(一酸化炭素、二酸化炭素)、その他不純物の排泄(特に便秘によい)を促進し、すべての機能の調整をすることです。

そのため自然に皮膚や肌の艶が出て、血行がよくなり健康な身体がつくられます。

スタミナと酸素

● 疲労の元は「乳酸」

● 酸素は乳酸を分解

だれもが身体を鍛えるというと、まず「運動」を思い浮かべます。

運動をすると、なぜ体力を持続することができるのでしょうか。 我々がふだんなにげなく呼吸している酸素の拝取量が、体力保持に大きな影響を及ぼしているからなのです。

私達の身体が働くためには、エネルギーが必要です。

このエネルギーには、

①有酸素エネルギー・・・・・・・・酸素がなければ発生しないもの

②無酸素エネルギー・・・・・・・・酸素を必要としないもの

の二種類があります。

酸素なしのエネルギーというのは、突発的な運動にもすぐ役立ち、力は抜群に強いのですが、わずか1~2分程度しか持続できません。

疲労素である乳酸がたくさんたまるので、このエネルギーだけでは、私達は、すぐにダウンしてしまいます。

ところが、これに酸素が送り込まれると、たまった乳酸はたちまち分解されて、たくさんの新たなエネルギーを生み出します。

これが有酸素エネルギーです。

つまり、酸素によってスタミナを長く保持することでさるわけです。

酸素を運ぶ力の大ささをその人の「有酸素能力」と言います。

普通、私達は、静止した状態から運動をはじめると、酸素の摂取量が増加し、はげしい運動であればあるほど、その摂取量は大きくなります。

しかし、ある点に達すると、それ以上強く運動しても、酸素摂取量はふえなくなります。

このときの値を「最大酸素 摂取量」と呼んでいます。

最大摂取量が大きいほど有酸素能力は高いわけです。

酸素を運ぶ力がつよくて、酸素がたっぷり供給できれば、エネルギーがたくさん生みだされて、スタミナが良く続くということになります。

また、有酸素能力が高く、酸素が順調に身体の中に運ばれるということは、まず、肺の機能が非常によいということにもつながります。

それに心臓のポンプ機能も良好で、心拍数・1 回拍出量・心拍出量のバランスが良いということです。

有酸素エネルギーは、無酸素エネルギーと反対に遅効性なので、その効果が現われるまで、数分の時間がかかりますのでその間、無酸素エネルギーを使う訓練がまず必要になります。

あまり運動をしない人が急になわ跳びをすると、数分で苦しくて続けられなくなるということがよくあります。

これは有酸素エネルギーが放出される前に、無酸素エネルギーが限界に達してしまうためです。

健康維持のためには、酸素を充分にとり入れる工夫をすることが、大切なのです。

スポーツと酸素

● 効率よく酸素を取り込むためには 有酸素運動(エアロビクス)トレーニング

私たちは、スポーツマンであるなしにかかわらず、酸素がなくては生命を維持できません。

酸素は人間のエネルギーを生みだす源なのです。

そして、この酸素をいかに効率よく摂取し、消費するかで、私達の身体のエネルギー生産に大きな差がつきます。

スポーツマンがよりよい成績を残すためには、酸素の重要性を再確認することが必要でしょう。

体に効率よく酸素を取り込むためには、何よりも心臓と肺の機能を高めなければなりませんが、そのためにはどんなトレーニングよりも有酸素運動(エアロビクス)が効果的といわれています。

有酸素運動を繰り返すと、毛細血管が発達して血流が良くなり、その結果、血圧を下げ、コレステロールを取り除き、心肺機能を高めることができます。

● 酸素はエネルギー発生のための酸化源と 廃棄物(乳酸など)の酸化分解をします

エネルギーの発生と酸素の関係

人間のスポーツ時の酸素の摂取量は、通常の呼吸の5倍、10倍以上も要求されます。

血管により各組織に運ばれた酸素はエネルギー発生のための酸化源となり、その結果発生した老廃物を酸化分解していきます。

通常よりも多量のエネルギーを必要とするスポーツ時には、それに応じた酸素量が必要になるわけです。

グリコーゲンは運動時等に乳酸に変化するので、運動時には乳酸の血液中濃度が増加します。

人間の疲労感は、この乳酸の蓄積によるものといわれています。

酸素はこの乳酸を炭酸ガスと水に分解してしまうのです。

スポーツ分野での酸素の利用例をあげてみますと、ロサンゼルス・オリンピックの三冠王カール・ルイスは、競技のスタート前に酸素吸入を行なっていますし、米大リーグでは投手が各イニング毎に酸素を補給してマウンドに立っています。

アメリカンフットボールやプロ・サッカー、プロ・バスケットの T・V 中継などで、交代でベンチに戻ってきた選手が、ベンチに座るやいなや口にマスクをあてて酸素吸入を始めるシーンを見かけたことのある人も多いでしょう。

競走馬の運動と酸素

● サラブレッドも酸素吸入で より速く

● 酸素で「こずみ」解消

※こずみ=肩、腰、背などの筋肉に 炎症をおこすこと

筋肉の運動は、エネルギー源であるグリコーゲンを分解し、エネルギーを取り出す働きです。

筋肉の中では、エネルギー源からエネルギーが作り出される際、乳酸という老廃物が発生します。

老廃物がたまると筋肉は疲労して運動能力が落ち、エネルギー源の分解を続けることができなくなります。

この運動は「無酸素運動」と呼ばれています。

たまった老廃物を水と炭酸ガスに分解するためには、酸素が必要です。

長距離のマラソンなどは、運動中にたまった乳酸を分解しながら、またグリコーゲンの分解をするので「有酸素運動」と呼ばれます。

しかし、この有酸素運動は 2 段階の分解が必要なため、エネルギーの取り出しがゆっくりしていて瞬発力はありません。

競走馬の筋肉は早く走ることに適応しているため、1600m 位の距離までの全力疾走は、エネルギー源を老廃物に変える無酸素運動で生じるエネルギーだけでまかなわれます。

競走馬は筋肉に疲れをためる走り方をしているわけです。この筋肉疲労が「こずみ」などの故障の原因になります。

ですから、競走馬の運動後の疲労を早く回復させ「こずみ」などの事故を防止するためには、筋肉に早く酸素を送り込んで老廃物の分解を助けることが重要です。

酸素は、肺から血液中に取り込まれ体中の筋肉に供給されますから、運動後に酸素吸入をすることは、筋肉の疲労回復に有効です。

人間のスポーツの世界では、缶入りボンベなどで試合の合間や後に酸素吸入をすることが、既に広く行われています。

さらに、酸素は肺から取り込まれてから筋肉に行き渡るまで数分間かかりますから、調教や追い切りなどの際は運動前に酸素吸入をして、全身にあらかじめ酸素を行き渡らせておけば、筋肉の老廃物の分解はさらに早くなり、効果的であると考えられます。