文明の発達が酸素不足に
●過食や科学物質は酸素を大量消費
●運動不足が酸素不足に
文明が進むとすべてが近代化され自分の身体で活動することが少なくなりました。
現在では僅かな距離でも自動車に乗り、階段を歩いて昇り降りする必要もなくなってしまい、食生活も大きく変化しました。
現代の食卓には、美食がズラリとならび、つい好物だけを過食してしまいます。
しかも、そのほとんどの食物が自然なものではありません。
人工飼料によって、短期間で太らされた家畜や卵、農薬と科学肥料で育った野菜や果物、そしてインスタント食品や冷凍食品なのです。
また、大気汚染も深刻な問題で、酸素発生源である樹木の大量伐採と、自動車・火力発電所・ジェット機などの増加による酸素の大量消耗と排気ガスの増加による大気汚染も酸素不足に拍車をかけています。
さらに、近代建築は空気の流通を悪化させ、冷暖房などにより室内の空気が汚染され、酸素の供給量が少なくなり、各細胞への酸素不足を
きたしています。
過食は、内臓を酷使し、残りかすの排泄や、合成着色料・合成保存料・合成甘味料等の中和にも、多量の酸素を必要とし、肝臓や腎臓、腸に余分の負担をかけます。
その結果、便秘になり、宿便を溜め、一酸化炭素を発生させて病気の原因をつくるのです。
乗り物の発達などにより生活自体は楽になった代わりに、体力が衰え、運動不足をきたし、呼吸活動が鈍くなって、酸素不足になるなど、それらがみな疾病の原因になっています。
このように、どんどん酸素欠乏体質になっているのが現代人の現状なのです。
● 酸欠が代謝障害をを引き起こす
● 現代病(ガンや心臓病)の原因のひとつは「酸欠」
日本における死因のトップはガンによるものです。
過去 30 年間も第一位を占めていた脳卒中を抜いたのです。
人々の関心は主にガンに集中しています。
しかし、一方でガンを上回る上昇率で心臓病が激増している事実も決して見逃せません。
人間の心臓は、深く静かにそして確実に悪化し、衰弱しています。
医学博士 野口英世は著書の中で「すべての病気の原因は酸素欠乏症である」と力説され、ガンや心臓病なども細胞酸欠によって起きることを学会で発表しています。
また、ドイツのノーベル賞受賞者である医学博士 オットワールドも「ガンの発生は酸欠症による」と発表しています。
酸素欠乏による代謝障害は現代医学においては常識であり、体内すべての細胞は酸素呼吸なしで生きることは不可能です。
文明病といわれる心臓病は、老人、若者を問わず猛威を振るい、日本人の死者の 2.5 人に1人が脳卒中や、心筋梗塞で死亡しています。
一方、最近では老若男女を問わず自殺者が激増しています。
これも心労、過労と神経酷使からくるノイローゼ(うつ病)すなわち酸欠症なのです。
文明が進むに従って自然も人体も汚染され、私達は知らず知らずのうちに酸素欠乏体質となっています。
しかし、弱った身体も、細胞組織に充分な量の酸素を補給することにより、徐々に強化することが可能です。
したがって、新鮮な酸素の補給を心がけ、日頃から病気やストレスに打ち勝つ体質をつくることが、大切です。
全国民が慢性的な酸欠状態
● ヘモグロビンが酸素を取り込めない、 運べない、酸素の使い過ぎ状態
今や現代社会では、全国民が慢性的な酸欠状態にあると言っても過言ではありません。
この原因は何かというと食物です。美味しさばかり求めた食物が血液を汚し酸素が入る余地をなくしています。
そして食物や水に混入している農薬とか化学物質、添加物、薬が血液の汚れを一層ひどくし、酸素をどんどん“解毒”という型で消費し、それでなくても運動不足で足りない酸素を一層足りなくさせているのです。
空気の汚れの炭酸ガスや一酸化炭素、チッソ酸化合物(NOX)も血液を汚し、酸素の代わりにヘモグロビンにひっついてしまって、 〝酸素が入らない、運べない、使い過ぎ〟という最悪の状態になって、慢性的な酸欠状態に国民全部が陥っているのです。
そして気付いた時はどうしようも無い状態、すなわち「治すことのできない病気」になっているのです。
酸素欠乏の症状
● 大脳皮質が酸欠に一番弱い
● 症状は脳(頭)から現れる
● 二日酔などの条件下では重症化
酸素不足に対して、最も敏感に反応を示すのは、最大の酸素消費者である脳のうちの大脳皮質です。
大脳皮質は人類が最も発達していますが、その反面、酸素欠乏に対しては最ももろい器官です。
酸素欠乏症の症状は、まず大脳皮質の機能低下からはじまり、終局的には、この細胞破壊による機能喪失という段階を経て、脳全体の破壊が死命を制することになります。
表は、酸素濃度の段階と酸素欠乏症の症状との関係を、おおよそ 4 段階に分類したものです。
これらの症状は、重筋労働中や、疲労しているとき、あるいは二日酔いなどの場合は重症化します。
また、貧血や循環器障害をもっている人は、第 2 段階でも致命的な場合もあります。
エア・コンの効いた換気の悪い室内や、ドライブ中の閉めきった車内での軽い頭痛、生あくび、吐き気などは、だれにでも経験のあることでしょう。
酸素欠乏の症状が現われる酸素濃度には個人差が大きく、また個人の健康状態によっても異なりますが、上記の自覚症状が現われたときには、表で見る第 1 段楷程度の酸素濃度の低下の状態であることが推測できます。
酸素濃度低下による酸素欠乏症の症状
段 階 |
空 気 | 動 脈 血 | |||
酸素濃度% | 酸素分圧㎜ Hg | 酸素飽和度% | 酸素分圧㎜ Hg | ||
1 | 16~12 | 120~90 | 89~85 | 60~45 | 脈拍・呼吸数の増加、集中力の低下、計 算間違い、細かい筋肉作業の劣化、頭痛、 耳鳴り、吐き気 |
2 | 14~9 | 105~68 | 85~74 | 55~40 | 判断力の低下、発掲状態、不安定な精神 状態、傷の痛みを感じない、頭痛、耳鳴、 吐き気、嘔吐、酩酊状態、当時の記憶な し、全身脱力、体温上昇、チアノーゼ、 顔面蒼白、意識朦朧 |
3 | 10~6 | 70~45 | 74~33 | 40~20 | 意識消失、昏倒、中枢神経障害、チェイ ンストークス型呼吸出現、チアノーゼ、 全身のけいれん |
4 | 6以下 | 45以下 | 33以下 | 20以下 | 一瞬の中に失神、昏睡、 呼吸緩徐→呼吸停止→心臓停止 |
※空気中の酸素濃度の正常値は 21%前後